2009年4月10日金曜日

メガバンク赤字転落は5月危機の前兆



メガバンク赤字転落は5月危機の前兆
2009年4月10日(金)10時0分配信 日刊ゲンダイ
●貸し渋りが止まらず大量倒産も 投資家が迷っている。 6日、海外の株高や円安を受けて、東京市場は4日続伸し、日経平均株価は一時8992円と3カ月ぶりの高値水準まで上昇した。しかし、後場に入ると、ジリジリと下げて8857円で終了。9000円台回復を目前にしながら反落したのは、「急反発への警戒感が強まった」(証券幹部)ためだ。買い上げるべきかどうか判断に迷った投資家が、利益確定を優先したことがうかがえる。 問題は今日以降の相場の行方だ。注目は、今週から始まる米国の1―3月期決算。その良し悪しが日本株を直撃する。アルミ・貴金属最大手のアルコア、来週には半導体最大手のインテル、シティグループなどの決算がカギを握る。「NYダウが短期間で20%以上も上がっているため、シティなど金融機関の決算に敏感に反応しやすい状況にあり、市場は波乱含みの展開を予想している」(外資系証券関係者) 下旬には、日本企業の09年3月期連結決算が出てくる。「赤字決算が予想される自動車や家電など輸出産業が市場を左右する。これら業種の中で相当厳しい数字を出す会社があるとされ、その衝撃は同業他社にも波及するとみられています」(前出の証券幹部) そして為替だ。6日は円売り・ドル買いが進み、5カ月半ぶりに1ドル=101円をつけて、輸出企業にとっては追い風が続いている。新光証券エクイティストラテジストの瀬川剛氏がこう指摘する。「米G・サックスが1ドル=114円を予想しているが、ここまで円安が進めば、業績好転が見込める輸出企業株が主導になり、株価は上値を追う展開になるでしょう。しかし、実際には、一本調子で株価が跳ね上がるのではなく、主要企業の業績に大きく左右されるため、9000円台をはさんで揉み合う中、悪材料が重なって出るようなら8000円前後まで下落する局面は十分にあり得ます」 市場では5月危機の勃発が懸念されているが、「その前兆か」と警戒の声が上がっているのが、メガバンクの赤字転落だ。 三菱UFJに続いて、みずほ、三井住友の3メガバンクは09年3月期連結決算でそろって赤字に転落する見通しだ。6年ぶりの非常事態である。これでは貸し渋りが止まらないから、企業の大量倒産は避けられない。市場関係者の中には再び「7000円割れ」を危惧する声が依然としてある。上場企業約4000社の決算結果は、日本経済をどん底に陥れることになる。(日刊ゲンダイ2009年4月7日掲載)


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