2009年4月12日日曜日

衆院解散、カギは小沢の去就…最速で「6月決戦」も

衆院解散、カギは小沢の去就…最速で「6月決戦」も
2009年4月11日(土)17時0分配信 夕刊フジ
 麻生太郎首相は財政支出15兆4000億円に上る空前規模の2009年度補正予算案を引っ提げ、衆院解散のタイミングを見計らう。贈与税軽減の関連法案を含めて成立の実績づくりを優先させれば、7月の東京都議選後が有力となる。ただ民主党が小沢一郎代表の進退問題で揺れている機に乗じて「5月解散-6月選挙」を仕掛ける最速シナリオも視野に入れており、支持率動向と並んで“敵将”の去就が解散判断の鍵となりそうだ。
【楽観主義】  「選挙をやってから、7月のサミット(主要国首脳会議)に行くのもいいなあ」。首相は最近、親しい議員に、夏前の早期決戦を挑んだ上での過半数確保-政権維持への自信をほのめかした。  3月初めに小沢氏が公設秘書の逮捕に見舞われて以来、持ち前の「楽観主義」は全開状態だ。敵失に助けられる形で、内閣支持率は上昇傾向に転じた。これから定額給付金が各家庭に行き渡り、08年度第2次補正予算の効果も出始めるだろう。民主党が09年度補正予算案の審議で抵抗すれば信を問う「大義名分」も立ち、勝機を見いだせるかもしれない-。そんな算段が「政権運営への自信回復」(周辺)につながっているようだ。  自民党の古賀誠選対委員長も8日夜、古賀派パーティーで「いま考えられる可能な限りの経済対策がまとまる。一大決戦である解散・総選挙の足音が間近に聞こえてきた」と解散風をあおった。  経済対策では、公共事業の地方負担分の9割を国が負担するための交付金創設など「地方自治体への配慮」として2.4兆円を計上した。小泉政権以来の“禁じ手”だった赤字国債の大量増発へ踏み出す補正編成は「自民党の紛れもない選挙対策」(公明党幹部)との色合いを帯びる。  「補正予算成立後に勝負するより『与党が過半数を取れば、この対策が実現できる』と訴えられる戦いの方が得策だ」と自民党幹部。首相が勝機と見極めれば、ためらわず伝家の宝刀を抜く可能性は否めない。
【自縄自縛】
 だが、自民党では補正成立前の解散には否定的な考えも根強い。笹川尭総務会長は9日の記者会見で「示しただけで解散では絵に描いたもちになる」と強調した。  野党が反対しても、補正予算案は6月には自然成立する見通しだ。だが関連法案成立で贈与税の軽減措置などを実現させるには、参院送付後の「60日ルール」で7月に再可決することも想定しなければならない。 これ以前に解散すれば、贈与税軽減が年初にさかのぼって適用されることを見込んで生前贈与した高齢者らから批判を浴びかねない。 執行部の一人は「選挙を経れば、衆院再議決に必要な3分の2の議席を失うのは確実。対策実現の本気度が問われ、選挙にはマイナスに働く」と指摘する。  首相は「政局より景気だ」と繰り返してきただけに、補正予算案と関連法案の提出は解散権の“自縄自縛”を招いているとの見方もできる。  小沢氏の動向も早期の解散シナリオの大きな不安材料になる。民主党内では「首相が解散を決断した段階で、選挙の顔をすげ替えれば、政権交代を一気に引き寄せられる」(ベテラン議員)との戦略がささやかれる。 7日夜、小沢氏は都内の料理屋で中堅議員らとどじょう鍋を囲みながらつぶやいた。「おれがこんな状況だから、麻生はすぐにでも選挙をやりたいだろう。でも負けたらサミットに行けなくなる。それ(早期解散)をやりきれるかな」

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