
4月25日23時20分配信 読売新聞
【ジュネーブ=金子亨】世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は25日午後、電話回線を通じて記者会見し、メキシコや米国で多数の感染者が出ている豚インフルエンザについて、「事態は急速に進んでおり、極めて深刻な状況」との認識を示した。 世界的大流行への懸念については「潜在的可能性はある」としながらも、「(メキシコと米国以外の)他地域への感染拡大は見られない。まだ十分な検証がなされていない」として断定を避けた。チャン氏は「あと数日かけないと、全体像は把握できないだろう」と述べた。
WHOでは、25日午後4時(日本時間25日午後11時)から日米など各国の専門家による緊急委員会を開き、対応策の検討に入った。WHOとして、どのような勧告を加盟国に出すかを討議する。勧告の選択肢としては、渡航自粛やインフルエンザワクチンの増産なども想定されるが、慎重に検討することになりそうだ。
チャン氏は、今回のインフルエンザが、〈1〉通常の流行時期ではない4月に発生している〈2〉インフルエンザに弱い若年層や高齢者ではなく、青年・壮年層に感染者が出ている--の2点に、特に強い懸念を示した。
世界保健機関(WHO)は25日、新型インフルエンザ流行の危険度を引き上げるかどうかの検討に入った。危険度は6段階(フェーズ)で、現在は危険性が低い方から3番目の「フェーズ3」だ。人と人の間で感染したことを意味する「フェーズ4」以上に引き上げられた場合、政府は麻生首相を本部長とする対策本部を設置する。
そして、航空便の到着空港を成田などに限定して検疫職員を重点配備する。発生国からの客船の入国も3港に絞り、発症が疑われる入国者は隔離する。航空会社に運航自粛を要請するほか、在外公館ではビザ発給の基準を厳格化し、入国を制限する。外務省によると、米国とメキシコにはそれぞれ約37万5000人、約5800人の邦人がいる。政府は邦人の早期帰国に向けた政府専用機の使用も検討する方針だ。
最終更新:4月25日23時20分
豚インフル「深刻な状況」=WHO事務局長、大流行の可能性に懸念-専門家緊急委
【ジュネーブ25日時事】世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン(陳馮富珍)事務局長は25日、豚インフルエンザの感染拡大に関し、「事態は急速に進んでおり、深刻な状況だ」との認識を示した。一方で米国とメキシコ以外での感染拡大は見られないとも指摘。今回の感染が大流行(パンデミック)をもたらすかどうかについては「可能性はあるが、実際に大流行となるかどうかは分からない」と述べた。
ウイルスの実態はまだ不明な点も多いとして、各国に対し異常な感染がみられないか検査体制を強化するよう訴えた。ただ、全体状況の分析には「あと数日かかる」と見通しを示した。一方、WHOと米疾病対策センター(CDC)は24日、米メキシコ両国の感染者から採取したウイルスの遺伝子構造が一致したと発表した。これを受けWHOは25日、専門家を集め緊急委員会を開催した。国境を越えた地域での感染が確認されたことで、関係者の間では世界的流行への懸念が深まっている。
緊急委は、今回感染が広がっているH1N1型ウイルスについて、(1)新型かどうか(2)深刻な症状を引き起こすかどうか(3)容易に感染するかどうか-を中心に検討。その上で感染拡大防止策などについて協議する。WHOは、新型インフルエンザの大流行(パンデミック)に備え、警戒レベルを6段階に分類。現在は「3」(人から人への感染が全くないか極めて限定的な段階)としているが、緊急委は、「4」(人から人への感染が増加する兆候のある段階)への引き上げが必要かどうかも話し合う。(2009/04/26-00:21)
【ジュネーブ、サンパウロ24日時事】世界保健機関(WHO)のスポークスマンは24日の記者会見で、過去数週間にメキシコ国内で豚インフルエンザの人への感染が疑われる症例が800件前後に上り、メキシコ市周辺を中心に60人前後が死亡した疑いがあることを明らかにした。メキシコのコルドバ保健相は地元メディアに対し、豚インフルエンザが原因で16人が死亡したと確認するとともに、45人が死亡した恐れがあると言明。943件の症例を調査中だと語った。感染拡大が懸念されるメキシコ市では、市民に対するワクチン接種を急ぐ方針だ。人と鳥の双方のインフルエンザに感染する豚は、体内でウイルスを人から人への感染が可能な新型のものに変異させる恐れがあるとされる。このためWHOは豚インフルエンザの人への感染拡大を懸念し、警戒を呼び掛けている。
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