
平均株価大幅続伸でも“5月危機”直面大低迷32社
2009年4月6日(月)10時0分配信
2日の株式市場は、平均株価が367円高の8719円まで上昇し、出来高は今年最高、上げ幅も今年3番目を記録した。上げ相場がいつまで続くかは分からないが、新年度に入りマーケットに活況が戻ってきたのは確かだ。 ところが、その波に全く乗れずストップ安をつけた会社が全市場で15社(破綻したパシフィックHD含む)あった。年初来安値を更新した銘柄も45社にのぼっている(別表参照)。「4月から昨年来安値ではなく、文字通り年初来安値に変わりますから、取引時間中のバブル後最安値を更新した昨年10月との比較が終わったとはいえ、これだけの上昇相場の中、ストップ安や年初来安値を更新する会社はかなり危険とみるべきでしょう」(市場関係者) 3月下旬に倒産したアゼル(不動産)の株価は、破産手続きを申請する直前に7円だったが、別表には1円という信じ難い会社もある。市場がノーを突きつけた株価低迷企業は、決算を監査法人が了承しない5月危機にさらされる恐れが高い。「3月危機は去っても、景気が底打ちしている状況ではありませんから危機は続いています。今後はデフレの進行で体力勝負の時代に突入するでしょう。イオンのような巨大スーパーが大幅値下げに踏み切ると、値下げできない一般商店にはボディーブローのように効いてくる。北海道の老舗百貨店の丸井今井も1月に破綻しています。これからは、企業の名前や歴史、規模に関係なく倒産が起きかねません」(東京商工リサーチ情報部の友田信男統括部長) 別表には、倒産の続く不動産のほか老舗企業もチラホラ見られる。業界別では小売り、通信、電気機器の株価低迷が目立つ。 上昇相場の片隅で、5月危機の暗雲が漂っている。【主な年初来安値更新(ストップ安)銘柄(2日)】◇社名/株価◆プロパスト(不動産)/※1,640◆総和地所(不動産)/※2,550◆セイクレスト(不動産)/※690◆RISE(旧ヒューネット、不動産)/※1◆エスビー食品(食品)/788◆マルエツ(小売り)/389◆天満屋ストア(小売り)/799◆ジー・テイスト(小売り)/80◆トラスト・テック(技術者派遣)/※42,600◆リンク・ワン(人材派遣)/※15,400◆アドウェイズ(広告関連)/※58,200◆デュオシステムズ(通信)/※6,200◆ゴンゾ(通信)/※5,940◆サイバーステップ(通信)/※24,600◆環境管理センター(土壌調査)/130◆早稲田アカデミー(進学塾)/682◆オーナンバ(非鉄金属)/210◆日本科学冶金(金属)/132◆妙徳(機械)/95◆オカダアイヨン(機械)/184◆ササクラ(機械)/670◆兼松エンジニアリング(機械)/375◆ユニパルス(電気機器)/298◆原田工業(電気機器)/86◆イクヨ(自動車部品)/82◆ジー・ネットワークス(小売り)/99◆ニッパン(卸売り)/202◆VTホールディングス(小売り)/52◆ホロン(精密)/※6,980◆東日カーライフグループ(小売り)/※131◆ワールド・ロジ(物流)/※8,800◆イチヤ(小売り)/※1(※はストップ安、株価単位円)(日刊ゲンダイ2009年4月3日掲載)

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