
株価が急反発している。23日の日経平均は、前日比269円高の8215円(終値)とあっさり8000円台を回復した。政府はあらゆるPKOや年金資金投入で3月危機を遠のかせようと必死だが、この戻り相場に乗り遅れた企業が少なからずある。 23日、東証の業種別株価指数は33業種すべてで上昇した。だが個別銘柄を見ると下落した企業が結構ある。イケイケの上昇相場だけに、株価下落は市場が突きつけた「危ない会社」と見ることも可能だ。「フタバ産業(東証1部)のように、この数日で買われ過ぎた反動による下落もありますから、すべてが危険とはいえませんが、上昇局面にあるのに、株価低迷が続いている企業はツライですね」(投資ストラテジストのリチャード・コーストン氏) そこで下落率(23日)の大きかった企業で、株価低迷中の企業をまとめた(別表参照)。平均株価が上昇に転じる直前、3月12日の日経平均は7198円だったが、それ以降、小幅な下落はあったものの一気に8215円まで駆け上がった。わずか6営業日での上昇幅は1017円(約14%増)に達する。そんな中で横バイ、もしくは続落中となると、確かにツライ。 帝国データバンク情報部の中森貴和氏が言う。「大手企業の3月危機は去ったと見ていいでしょうが、中堅以下となると上場、未上場を問わず資金繰りなど厳しさが増しています。今年に入り13社の上場企業が倒産しましたが、不動産・建設ばかりか金融やアパレルに倒産が広がっています。現在の上昇相場で株価が下落している企業は、市場が出す危険サインかもしれません。実体経済の好転は期待できませんから、株価低迷企業の業績が上向くのは、ものすごく大変なことです」 3月を乗り切れない会社が続出する可能性がある。3月危機は去っていない。【株価低迷中企業48社】◇社名/3月23日株価/前日比下落率(23日)/3月12日株価◆イチヤ(小売り)/1/50.00%/1◆新日本建物(不動産)/55/47.62%/88◆塩見HD(建設)/11/15.38%/9◆五洋インテックス(卸売り)/49/14.04%/50◆日本科学冶金(金属)/206/11.59%/500◆大盛工業(建設)/10/9.09%/10◆ニチハ(ガラス・土石)/607/8.58%/637◆日本マニュファクチャリングサービス(サービス)/12,800/8.57%/14,400◆デュオシステムズ(通信)/5,720/8.48%/8,800◆高松機械工業(機械)/220/8.33%/245◆エルミック・ウェスコム(通信)/124/8.15%/126◆エム・ピーHD(通信)/17,000/8.01%/※19,000◆トーイン(包装資材)/253/8.00%/260◆価値開発(不動産)/12/7.69%/11◆児玉化学工業(化学)/37/7.50%/31◆イーター電機工業(電気機器)/38/7.32%/42◆鈴木金属工業(鉄鋼)/117/7.14%/112◆日立メディコ(電気機器)/734/6.85%/739◆シンワオックス(卸売り)/14/6.67%/13◆アサヒ衛陶(ガラス・土石)/14/6.67%/14◆メディカルシステムネットワーク(小売り)/95,000/6.40%/102,000◆NBC(繊維)/736/6.24%/810◆アドウェイズ(サービス)/66,600/5.93%/67,500◆KG情報(サービス)/212/5.78%/221◆ユニパルス(電気機器)/344/5.75%/374◆美樹工業(建設)/132/5.71%/130◆東京カソード研究所(電気機器)/133/5.67%/123◆原弘産(不動産)/50/5.66%/39◆ドリコム(通信)/60,100/5.50%/64,500◆シライ電子工業(電気機器)/69/5.48%/70◆アドテック(電気機器)/35/5.41%/※38◆メディビックグループ(サービス)/6,150/5.38%/6,200◆JBCC・HD(通信)/618/5.21%/642◆野崎印刷紙業(紙製品)/172/4.97%/180◆ドリームバイザーHD(通信)/63,500/4.94%/90,000◆松尾電機(電気機器)/58/4.92%/57◆リビングコーポレーション(不動産)/19,210/4.90%/※20,000◆アガスタ(卸売り)/7,420/4.87%/8,500◆イムラ封筒(封筒)/201/4.74%/201◆セイクレスト(不動産)/1,115/4.70%/1,318◆データホライゾン(通信)/2,250/4.66%/2,155◆ユニチカ(繊維)/65/4.41%/63◆フジマック(金属)/282/4.08%/328◆ホクシン(繊維板)/144/4.00%/144◆アマナHD(サービス)/217/3.98%/205◆キリン堂(小売り)/482/3.98%/470◆神鋼鋼線工業(鉄鋼)/149/3.87%/144◆日建工学(サービス)/50/3.5%/48◆日経平均/8,215/―/7,198(株価は終値、単位円。※は3月13日終値)(日刊ゲンダイ2009年3月24日掲載)
ここからは個人的な意見であるが、前日のヨーロッパ各市場はどこも安く、また3月28日朝(日本時間)現在のニューヨーク株式ダウ平均は7,775.86ドル(前日比148.7安)で短期では天井圏である。日本の日経平均も短期では天井圏なので30日以降下げるかもしれない。先の48社はこれまでの上昇過程での乗り遅れであり、今後についてはまだ何とも言えないのではないか。

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