2009年3月24日火曜日

AIGなぜ潰さない!?


AIGなぜ潰さない!?
●「破綻させると大混乱」は幻想
 米保険大手AIGの巨額ボーナスに課税する法案が米下院でスピード可決した。年収25万ドル(約2400万円)以上の従業員が受け取ったボーナスに、90%の高税率をかけるというもの。それでも最高640万ドル(約6億円)の支給を受ける従業員は、手元に64万ドル(約6000万円)が残る計算だから、米国民の怒りは収まりそうにない。 同志社大教授の浜矩子氏(国際経済学)が言う。「混乱の元凶は、AIGを存続させたことにあります。大きすぎて潰せないというのは基本的に幻想。政府がAIGを救済したのは間違いです。公的資金は、AIG株の購入に使うのではなく、潰れた後で発生する関係先の損失補填に使うべきでした。むろんAIGの商品に投資した側もリスクは承知で、損失をカバーする保険にも入っている。全額補填する必要はありません。潰してしまえば、巨額ボーナスの問題も起きなかった。安直に救済したツケが回ってきているのです」 米著名投資家のジム・ロジャーズ氏も、米メディアに「AIGの破綻を容認すべき」と話している。これがまっとうな意見である。 AIGに注入された公的資金は4回で1733億ドルに上る。しかも、多くの専門家は「これで終わらない」と口を揃えている。 ところが、AIGによると、昨年12月末までにCDSの解約などに伴って支払ったカネの総額は、ゴールドマン・サックス向けの129億ドルを筆頭に900億ドル超に過ぎない。差額の800億ドルは、純粋にAIGを存続させるために使われている公算が大。潰した方がコスト的にも安かった可能性は高い。「AIGは、ゾンビ金融機関というよりも吸血鬼金融機関。エンドレスに血税を吸い続けて生き永らえるのです。これでは額に汗して働くのがバカバカしくなる。米国民が暴動を起こしたって不思議ではありません。米欧日が協力すれば、AIGが破綻しても、金融不安を静める防衛策は打てたはず。労を惜しんではダメなのです」(浜矩子氏=前出) 今からでも遅くはない。(日刊ゲンダイ2009年3月21日掲載)
以下は個人的見解
多額の公的資金をアメリカ政府から導入している企業としてAIGの経営者はどんな考えをもっているのだろうか。もし破産させれば国家にとって大きな負担になるから、なんとか救済するだろうと政府の対応を見透かしたような行動をするのはあまりに甘い。多額のボーナスを支給するのは、人材が流出するからやむを得ないと議会で証言した経営者が存在した。会社に損失を発生させたのが人材だろうか。今のアメリカや世界の経済の惨状をどう考えるか。吸血鬼のように国家の金(国民の金)を飲み込んで大企業が生き残ろうとするならばアメリカの国民が怒るのは当然だ。アメリカの予算教書では財政赤字が171兆円にもなる。短い年月で取り返せる金額ではない。

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