「医療費のことでお悩みの方は、お気軽にスタッフにご相談ください」 都内のあるクリニックが、今月1日からこんな張り紙を掲示したところ、毎日2、3人が診察や検査のときなどに、こっそり相談をもちかけてくるという。その多くが不況による手取り給料の減少で、治療を続けることが難しくなったことの相談だという。医療費の自己負担を最小限に抑えながら、治療を続けていくには、どんな手立てがあるのか? 生活習慣病治療を前提に専門家に聞いた。
●薬を見直す
「たとえば、現在、高血圧で最も効果的な薬は最新のARBと呼ばれるグループの薬ですが、これは高額で種類によっては1錠300円近いものもあります。ARBよりは効果が劣りますが、ACE阻害薬やカルシウム拮抗薬と呼ばれるグループの薬なら、1錠10円未満のものも少なくありませんから、医療費の節約効果は大きい」(都内の内科クリニック院長) ポイントは、古くから使われていて薬価が安い薬を組み入れること。 新しい薬は薬の特許が守られていて高いが、古い薬は特許が切れているから安いのだ。いわゆるジェネリックは、特許切れの古くからある薬のこと。「糖尿病の治療に使われるビグアナイド薬は、薬価が1錠10円程度と安い。新しいタイプのインスリン抵抗性改善薬は1錠200円近いものもあります。糖尿病は薬の変更に注意が必要ですが、病状によっては、インスリン抵抗性改善薬をビグアナイド薬に変更できる場合があるので、医師に相談するとよいでしょう」(都内の糖尿病専門クリニック院長)
新しい薬も使い方次第で安くなるという。「脂質異常症(高脂血症)によく効く薬はスタチンです。そのひとつプラバスタチンは、ジェネリックがありますが、効き目が弱い。そのジェネリックを毎日飲むなら、効き目が最も強いスタチンの先発薬を1日置きに飲む方が、同程度の効果で薬代を安くできます」(前出の糖尿病専門クリニック院長)
●受診期間を見直す
糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、1カ月に1回の通院が基本だ。「病状が安定している方なら、通院を2カ月に1回にすれば、診察代は1回分かからなくて済みます」(前出の内科クリニック院長)
●検査を見直す
「検査をしないと、医師は病状の変化を見落とすリスクがありますから、まったくやらないわけにはいきません。しかし、メーンの検査、たとえば糖尿病ならHbA1cの検査は毎回確実にやって、脂質や肝機能などの検査は2回に1回行うなど、間隔を空けることが可能でしょう」(前出の糖尿病専門クリニック院長) これも病状次第だが、医者に相談する価値はありそうだ。 医者に言いにくいときは、検査のときなどに看護師に相談するといい。
(日刊ゲンダイ2009年2月23日掲載)
先の見えない不況の時代に誰でも財布のひもはかたくなるもの、病気にならないように気をつけるのは当然だが、万が一病気にかかったとき心がけひとつで余分な出費は倹約できるものです。ジェネリックの使い方など役に立つのでは!

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