●見苦しいその場しのぎのクルクル答弁「郵政民営化には反対だった」と言いながら、党内批判が噴出すると「民営化したほうがいいと最終的には思った」と軌道修正した麻生首相。国民にしてみれば、「どっちなんだよ!」と突っ込みたくなるが、明快な解答がある。竹中平蔵元郵政民営化担当相が「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」なる本を日本経済新聞出版社から出していて、そこに郵政民営化に反対していた麻生が凄んだ話が出てくるのだ。ちょっと抜粋してみよう。〈麻生総務大臣は郵政ファミリーの主張を前面に押し出し、私の考えに徹底して反対してきた。主張の内容は、時に政策論を超えて竹中個人に対する批判にもなった。準備室にも十分情報を下ろさない私のやり方への批判、野党から外資の手先という批判を浴びていることへの揶揄、なども含まれていた〉〈麻生氏はさらに、「あんたは霞が関に嫌われている。あんたが言うから、皆反対に回る」と続けた〉 郵政民営化を徹底して潰そうとしたのが麻生だったわけである。 麻生は昨年9月の総裁選のときは「私が郵政民営化の担当大臣だった」と言った。今国会では逆のことを言って、突っ込まれていたが、こうした背景を読むと、よくぞ、昨年9月に大嘘をついたものだ。「最後は賛成した」というのもウソだ。竹中本にはこんなくだりがあるのだ。〈四月四日、郵政民営化法案に関する基本事項を確認するため、総理と関係大臣などが官邸に集まった。会議が終了した直後、参加者の一人が私の耳元で囁いた。「いつか仕返ししてやる」〉 本の中では名前は出てこないが、永田町では「麻生のこと」として読まれている。だったら、今も反対を貫けばいい。竹中の肩を持つ気はないが、麻生のクルクル答弁は男として、政治家として、見苦しいの一語だ。(日刊ゲンダイ2009年2月16日掲載)
政治家は時が経過すれば、健忘症の国民が忘れるとでも思っているのか、あるいは確固とした信念がないのか、このように前言を翻して答弁をクルクル変えることに国民はあきれている。それでなければ支持率が、日本テレビの今月の調査のように9.7%まで落ち込むだろうか。日本の株価のように際限なく下がり続けることはないだろう。それでも権力を一度手放せば自民党が簡単に取り返すことは困難なことが分かるので、仕方なく状況に応じて発言しなければならないのか。週刊誌では最近の落ち着かない言動から「うつ病」まで噂されている。国民も冷たく理解がなく?本当に日本の首相とは激務で気の毒になる。しかし政権を取れるような決定打を打てない情けない野党にも困ったものだ。

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