2009年5月1日金曜日

新型インフル株価も直撃…上昇・下落率上位20銘柄

新型インフル株価も直撃…上昇・下落率上位20銘柄
2009年5月1日(金)17時0分配信 夕刊フジ
 新型インフルエンザが株式市場でも“猛威”を振るっている。東証1部上場銘柄(約1700銘柄)の4月の上昇・下落率上位20銘柄(表)をみると、マスクを製造する繊維メーカーが急騰した一方、格安旅行会社が売り込まれた。このほか、建設・不動産といった不況業種は引き続き売られている。  死者も多く出ている新型インフルエンザの感染拡大で、高機能マスクの需要が急増中だ。これに伴って、東証では4月下旬になって、繊維メーカーの株価が一気に急上昇した。  シキボウ(大阪)は4月中の株価上昇率が約157%となり、東証1部全銘柄のなかで3位になった。同社が開発した抗ウイルス性を持つ繊維製品は、マスクや白衣などに使われている。  5位の富士紡ホールディングス(東京)は医療用マスク、11位のダイワボウ(大阪)も抗ウイルス性多機能マスクなどが注目を集めている。こうした繊維セクターが4月の上昇率ベスト20銘柄のうち5銘柄を占めた。  「マスクの売り上げ増が業績をどこまで押し上げるかは未知数だが、現状では社名に“糸へん”さえ付いていれば買われているといってもいいほど。繊維会社は総じて株価が安いことも買いが入りやすい要因となっている」(兜町関係者) 【HIS、円高恩恵で上昇も反動売り】  一方、下落率で6位になったのが、格安旅行会社のエイチ・アイ・エス(東京)だ。同社は昨年後半以降、円高で海外旅行客が増えるとの思惑から「不況に強い銘柄」として上昇していたが、世界的な「インフルエンザショック」で海外渡航者の減少が見込まれることから、一転して反動売りに見舞われた。  上昇率上位銘柄のうちインフルエンザ関連以外をみると、1位が商工ローン大手のロプロ(旧日栄、京都)、2位が中小企業向けに売掛債権の買い取りを行うフィデック(千葉)、4位が経営再建中の音響機器メーカー・パイオニア(東京)、7位が情報サービス大手のCSKホールディングス(東京)などとなっている。  こうした銘柄は前年度中に大きく売り込まれ、いずれも株価が80%以上も暴落。「(資金繰りが行き詰まる)3月危機をしのいで相場環境全体が好転したことで、とりあえず買い戻しが入っている」(先の兜町関係者)という。  一方、下落率ワースト1位となったのは不動産会社、ゼクス(東京)。こちらは08年度の株価下落率(95.5%)でも東証1部全銘柄のなかでワースト3位だったが、新年度に入っても下げ止まらなかった。  同社は5月期決算企業だが、今年1月、2月、4月と3度にわたり業績見通しを下方修正。4月24日には、持ち分法適用会社で分譲マンションを手掛ける中央コーポレーション(愛知)が民事再生法適用を申請したことも悪材料となった。  下落率8位の百貨店、松屋(東京)は09年2月期決算で17億円の赤字に転落、衣料品の販売不振が響いた。  新型インフルエンザの猛威は衰える気配がないため、5月の株式市場も引き続き影響を受けることになりそうだ。

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