2009年4月16日木曜日

恐慌なのに売れまくる意外なヒット商品



(企業倒産に派遣切り、内定取り消し……とくれば、もはや不況を通り越して恐慌入り。これでは売れるものも売れなくなりそうだが、皮肉にも恐慌だからこそヒットしている商品もある。誰もが財布の紐を固くするなかでなぜ? 恐慌のなかのプチバブル現象の実態を探った
「倒産リスク拡大」直結産業【夜逃げ屋】
 '08年の上場倒産数が過去最多を更新したことからも想像できるように、いま日本経済は未曽有の危機に瀕している! そんな時代に売れる商品やサービスがあるの? と不安になるが、不景気を追い風にしてしまっている会社がある!
「去年の夏ぐらいから問い合わせが増えてきましたね。通常私たちは1年に100件ほど依頼を受けるんですが、去年は前年の倍近くこなしましたよ」と“景気のいい”話をするのは、大阪や横浜を拠点に全国で「夜逃げ事業」を展開するSRAの浦上貴義代表だ
夜逃げというと、過去を捨てて新天地に移り住み、心機一転新たな生活を始める、というイメージがあるが、実態は少々異なる。
「夜逃げは、借金などの根本的な問題を解決する過程の作業の一つ。弁護士に任せればすべて大丈夫と言う人もいるけど、本当にそうなら自殺者はもっと少ないはず。一旦安全な場所に身を移して、それから法律の専門家を交えて解決を計るのにウチらが必要なんですよ」(浦上氏)
不況で増えるのは倒産ばかりではない。同じく全国で夜逃げを手がける杏子ライフコンサルティングでは、離婚絡みの相談が増えているとか……。
「夫がリストラで職を失って、経済的におかしくなる。で、奥さんが他に男を作っちゃって別れたい、ということで、夜逃げするケースが出てきています」(杏子ライフコンサルティング担当者)
 貧すれば鈍する……。夫婦愛も不況には勝てないということか。このようににわかに活気づく“夜逃げ屋市場”だが、今後の展望も明るいという。
「最終的に会社潰す人って、1年くらいは踏ん張るんですよ。なので今年はもっと倒産が増えるでしょう。それを見越して、新しい事務所を追加したり、人員を増やしたり、みたいなことは検討しています」(浦上氏)
サラリーマン生活防衛産業【100円冷食】
 どんなに生活コストを抑えようとも、完全に削れないもの……それは食費。サービス残業させられた挙句、外食三昧ならば、サラリーマンの懐は寒々しくなるばかり。ということで、生活防衛型の低価格商品の売れ行きや良し! その典型がコンビニで販売されている100円冷食。
「昨年7月から販売を始めた100円の冷凍食品の売り上げが好調なんですよ。調理食品の中では前年比5~6倍に伸びてます」と、話すのはセブン&アイホールディングスの広報担当者。
 ローソンやサークルKサンクスでも同様の商品が販売されており、いずれも売れ行きは好調。ついつい安さに目が行きがちだが、ヒットの理由はその商品特性にもあるようだ。
「冷凍食品はもともと大容量のものを特売で買って、ストックしておくという需要が大きかったんです。ただ人口が減少傾向にある一方で、単身世帯数が増加傾向にあったので、単身者をターゲットにした少量・使い切りサイズならば新たな需要が創出できるだろう、と予想することもできました」(同前)
 セブンイレブンで販売されている100円冷食は全12アイテム。売れ筋はエビグラタン、五目炒飯に焼き餃子。スーパーでは味の素冷凍食品の「具だくさん五目炒飯」(450g)などが並んでいるが、セブンイレブンの100円冷食は170g。餃子でいえば8~16コ入りが主流だが、100円冷食は5コ入り。単身者にはちょうど良い食べ切りサイズというわけ。お弁当を買うよりも安上がりだし、お試し価値は十分!
ささやかな娯楽追及産業【韓国旅行】
 アメリカ発の世界恐慌でドルは暴落、円は独歩高。そんな為替動向を背景に大人気を博しているものもある。それは韓国旅行。'07年11月から韓国ウォンは対円で下降線をたどり、最近の相場はなんとピーク時の半値。韓国で買い物をすれば、なんでも実質半値で買えるというわけ。
「成田発韓国便の昨年12月の利用者は前年比で45%増でした。1月8日現在の状況ですが、今年1月は94%増です」(JTB広報)というから、目ざとい人は多いと感心。
追い風となったのはウォン安だけではない。格安航空券を取り扱うイーツアー担当者によれば「原油高の影響で燃油サーチャージが高くなっていたため、欧州や北米などに比べて、渡航費が安かった」ことも影響していたようだ。これに便乗して昨年末、韓国視察旅行に出かけた小誌編集Yによれば「ブランドショップは日本人だらけ。売れに売れて、コーチの棚はスッカランだった」とか。これは韓国に行くっきゃない?
「各旅行会社が韓国旅行の特集を続けていますし、夏頃までは韓国旅行は人気でしょう。ただ燃油サーチャージが安くなってきているので、北米や欧州も行きやすくなるはず」(イーツアー担当者)

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